はじめに:国はクリニックに「IT投資」と「賃上げ」の二重苦を強要している
「今回の改定はプラス改定だ。初・再診料も上がったし、新しい加算も増えたから安心だ」
もし貴院の事務長や出入り業者がそんな能天気なことを言っているなら、今すぐ経営体制を見直すべきです。
サイト運営者<br>プロアキこんにちは、メド・プロキュア代表のプロアキです。
メーカーの裏側を17年、そして医療機関の最前線で8年、調達とコスト削減の修羅場をくぐり抜けてきた私の目から見ると、2026年(令和8年)の診療報酬改定は、決してクリニックに優しいものではありません。
今回の改定資料の行間から読み取れる国からの強烈なメッセージは、「電子処方箋やサイバーセキュリティなどのITインフラに自腹で投資し、さらにスタッフの給与(ベースアップ)も引き上げろ。
それができないクリニックは市場から退場しろ」という極めて冷酷な宣告です。
本記事では、あるクリニックの実際の改定対策資料から見えてきた「全診療科に共通する6つの経営課題(ファクト)」を抽出し、クリニックが生き残るための「加算の取り方」と、割に合わない施設基準を「捨てる(取り下げる)勇気」、そして無駄なコストを削ぎ落とす調達戦略について、徹底的に解説します。


医療調達の「本質」を見極めます。大手医療ITメーカーでの提案営業と、大手医療機関でのシステム統括(部長・事務長)の両最前線を経験。ベンダーの「足し算(過剰提案)」を剥ぎ取り、貴院に本当に必要な機能と「素(す)」の適正価格を導き出すセカンドオピニオンです。
第1章:【ファクト確認】2026年改定でクリニックを直撃する「3つの激震」
まずは、私が独自に入手・分析した某クリニックの改定対策資料(ファクト)に基づき、全科のクリニックが直面する避けられない変化を解体します。
激震①:医療DXの強制「電子的診療情報連携体制整備加算」への再編
これまでクリニックの小遣い稼ぎになっていた「医療情報取得加算」や「医療DX推進体制整備加算」は廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」に一本化されました。
【ファクト:改定資料より引用】
医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算を廃止し、診療録管理体制加算におけるサイバーセキュリティ対策に係る要件を見直した上で、初診料、再診料、外来診療料及び入院料加算として、電子的診療情報連携体制整備加算を新設する。
(中略)電子処方箋等の対応状況に応じ、加算1(15点)、加算2(9点)、加算3(4点)に区分される。
【プロアキの視点】
「電子処方箋」を導入していなければ、一番低い点数(4点)しか算定できなくなりました。メーカーは「これを機に電子処方箋対応の最新レセコンに買い替えましょう!」と高額なシステム更新を迫ってきます。
しかし、冷静に計算してください。加算の差額(11点=110円)のために、数百万円のオンプレミス型レセコンをリースで組むのは最悪の調達です。
システム投資は、スマレジのような「身軽なクラウドPOS」による窓口業務の省力化とセットで考え、総コストで回収できる設計(ROI)がなければ絶対にハンコを押してはいけません。
激震②:「ベースアップ評価料」という名の踏み絵
スタッフの賃上げを促進するため、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)」が新設・拡充されました。
【ファクト:改定資料より引用】
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関において異なる評価を行う。令和8年度及び令和9年度において段階的な評価とする。(初診時23点、再診時6点などへ引き上げ)
【プロアキの視点】
これ自体は良いことですが、問題は「施設基準の届出と、定期的な賃上げ実績の報告」という強烈な事務負担がセットになっている点です。
「事務手続きが面倒だから加算を取らない」というクリニックは、スタッフの給与を自腹で上げるか、給与据え置きでスタッフが他院へ流出(離職)するのを指をくわえて見ているしかありません。
ここで重要になるのが、「事務スタッフを書類仕事に専念させるための、窓口業務のDX(自動精算機の導入等)」と、「採用サイト(メディカルリンク等)を用いた直接採用による採用コストの相殺」です。
激震③:大病院からの「逆紹介」受け入れによる収益化
今回の改定で、中小病院やクリニックにとって最大の「ボーナスタイム」となるのが、大病院と連携した際の評価の新設・拡充です。
【ファクト:改定資料より引用】
特定機能病院等紹介患者受入加算:60点
保険医療機関(診療所又は許可病床数が200床未満である病院に限る。)において、特定機能病院、(中略)許可病床の数が400床以上の病院等の紹介を受けて初診を行った場合は、60点を所定点数に加算する。
連携強化診療情報提供料:150点
算定対象を200床未満の病院や診療所等に拡大。病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携しながら共同で継続的に治療管理を行うにあたり必要な情報提供を行った場合において、患者1人につき3月に1回算定可能。
【プロアキの視点】
大病院は国から「外来患者を減らせ」と強烈なペナルティ(減算)を課されているため、慢性期の患者を地域のクリニックに猛烈な勢いで「逆紹介」してきます。
この紹介状を持った患者を初診で受け入れるだけで60点、さらに大病院に3ヶ月に1回「こんな状態です」とレポートを送るだけで150点が算定できます。
つまり、これからのクリニック経営は「新規の患者を自力で集める」こと以上に、「大病院の地域連携室に営業をかけ、逆紹介のパイプを太くする」ことが、最も費用対効果の高い集患戦略になるのです。
🩺 その採用コスト、もっと下げられます。
看護師1人に75万円の紹介料?
いま注目されているのは、医師が開発した「採用サイト運用パッケージ」です。
求職者の行動フローは「検索して、応募」。
魅力が伝わる採用ページが、応募数と人材の質を変えます。
たった40万円で、自院採用の仕組みが手に入ります。
第2章:割に合わない施設基準を「捨てる勇気」が利益を生む


診療報酬改定のニュースを見ると、どうしても「新しい加算をどうやって全部取るか」に意識が向きがちです。
しかし、経営と調達のプロである私から言わせれば、「改定によって割に合わなくなった古い基準を、いち早く切り捨てる決断力」こそが、真の経営手腕です。
「点数が半減した手術」を追いかけるな
私が分析したクリニックの資料には、経営層の非常に優れた「決断」の痕跡がありました。
【ファクト:改定資料より引用】
短期滞在手術等基本料1(日帰りの場合)の点数見直し。
麻酔を伴う手術以外(ロの(2))について、現行1,359点から、改定後は680点へ半減。
「680点しか算定できないとなると、再診料+採血料等(合計:約830点)を出来高で算定したほうが高くなる! そのため、当院ではこの施設基準を取り下げます!!」
【プロアキの解説】



これぞ、まさに「引き算の経営」です。
国は医療費抑制のため、普及しきった手術や検査の包括点数(パック料金)を容赦なく引き下げます。今まで「短期滞在の手術だからこの基本料を取っておけば得だ」と思っていたものが、改定を機に「実は出来高で一つ一つ算定した方が儲かる(逆転現象)」という事態が頻発します。
出入りしているレセコン業者や、頭の固いコンサルタントは「せっかく取得した施設基準を取り下げるなんてもったいない」と言うかもしれません。
しかし、数字(ファクト)が「損だ」と言っているなら、過去のサンクコスト(埋没費用)に執着せず、スパッと施設基準を取り下げて出来高算定に戻す。



このドライな判断ができるクリニックだけが、利益を残せます。
第3章:後発品ルール変更で起きる「窓口のパニック」をどう防ぐか
2026年改定における「地味だが現場へのダメージが最も大きい」変更点が、処方に関するルールの厳格化です。
【ファクト:改定資料より引用】
・先発品調剤・処方について、後発品の確保が困難な場合や医療上の必要性がある場合を除き、**患者希望による先発品処方は、後発品との差額の2分の1が患者負担(選定療養)**となる。
・一般名処方加算の点数引き下げ(加算1:10点→8点など)。
【プロアキの解説】
「なぜ今までと同じ薬なのに、急に高くなったんだ!」
「ジェネリックは嫌だ、先発品にしてくれ!でも金は払いたくない!」
改定直後のクリニックの受付では、間違いなくこのような患者からのクレームが多発します。
この「窓口パニック」に対して、「スタッフの笑顔と丁寧な説明」で乗り切ろうとするのは、経営の怠慢であり、スタッフへの労働の搾取です。
クレーム対応で受付が止まれば、待ち時間が長くなり、他の患者の満足度も低下します。ここで必要になるのが、「患者を待たせない、そしてスタッフに現金を触らせないシステム(DX)」への調達です。
窓口業務の「引き算」:スマレジでクレームの余地をなくす
差額ベッド代や選定療養費など、複雑化する保険外の患者負担金をスムーズに回収するためには、従来のアナログなレジでは限界があります。
私が強く推奨するのは、iPadで直感的に操作できるクラウドPOSレジ「スマレジ」と、自動精算機の連携です。
事前に「先発品をご希望の場合は、国のルールにより差額が自己負担となります」というポスターを院内に掲示し、会計はスマレジと自動精算機に任せる。スタッフが直接「お金の説明」をして頭を下げる時間を極限まで減らすことで、離職を防ぎ、業務を効率化するのです。
第4章:逆紹介バブルを独占する「攻めのマーケティング」とYouTubeの真価


大病院がペナルティ回避のために患者を放出する「逆紹介バブル」。しかし、待合室で腕組みをして待っているだけで患者が押し寄せてくるわけではありません。
大病院の地域連携室のスタッフや担当医は、大切な患者の送り先をどうやって決めるのでしょうか?
答えは簡単です。「ネットで検索して、一番信頼できそうなクリニックを選ぶ」のです。
YouTubeは「バズる」ためではなく「信頼を証明する」ために使う
ここで、Webコンサルタントがよく言う「YouTubeでバズって全国から患者を集めましょう!」という営業トーク(嘘松)は完全に無視してください。地域密着型のクリニックにとって、そんなものは不要です。
大病院の医師が貴院のホームページを訪れた際、そこに「院長が自らの言葉で、専門とする治療や患者への想いを語る動画」があったらどうでしょうか。「この先生なら、うちの術後患者を安心して任せられる」と直感的に判断します。患者自身も、紹介先のクリニックの雰囲気が動画で分かれば、転院への不安が激減します。
「素人運用」が招く医療広告ガイドライン違反という大惨事
「なるほど、じゃあスタッフにスマホで動画を撮らせて、テロップを入れてYouTubeにアップさせよう」
もしそう考えたなら、今すぐやめてください。そ
れはスタッフを疲弊させ、離職を招くだけでなく、クリニックを「違法行為(医療広告ガイドライン違反)」のリスクに晒します。
素人(あるいは医療を知らない制作会社)が再生数を稼ごうとすると、「絶対に治る!」「〇〇ランキング1位!」といった誇大広告や、リスク説明のないビフォーアフター写真など、ガイドラインに抵触する動画を平気で作成します。保健所からの指導やネットでの炎上は、築き上げた信頼を一瞬で灰にします。
「医マケ」でブラックボックスを解体する
YouTube運用を安全かつ確実に「利益(予約・逆紹介)」に繋げるための最適な調達が、医療機関専門のSNS・YouTube運用代行サービス「医マケ」です。
彼らは「再生回数」ではなく「ROI(投資対効果)」に執着します。Google AnalyticsとBIツールを駆使し、「どの動画を観た患者(あるいは連携室の担当者)が、実際に予約や問い合わせに至ったか」を完全に可視化します。コンプライアンスを守りつつ、無駄な広告費を削ぎ落とし、確実に集患へ繋げる。



これが「正しい外注」の姿です。


第5章:ベースアップの原資は「採用コストの引き算」で捻出せよ
しかし、国からの加算点数だけで十分な給与引き上げができるわけではありません。最終的には、クリニックの利益から原資を捻出する必要があります。
ここで、安易に「不要な検査を増やして点数を稼ごう」などと考えてはいけません。経営の基本は常に「引き算」です。クリニックの経費の中で、最も無駄で、最も削りやすい「巨大な掛け捨てコスト」にメスを入れてください。
それが、紹介会社(人材紹介エージェント)への高額な手数料です。
1人の採用で100万円が飛んでいく異常な業界
現在、看護師を1人採用するのに、紹介会社へ年収の約3割(100万円以上)を支払うのが当たり前になっています。スタッフが定着せずに入れ替わるたびに、この手数料がクリニックの利益を食い潰します。
この100万円があれば、今いるスタッフ全員に立派なボーナスを支給し、離職を防ぐことができるはずです。
「メディカルリンク」×「YouTube」の最強シナジー
紹介会社依存から脱却するための唯一の解決策が、自立した採用サイト(オウンドメディア)の構築です。
求職者は、文字だけの求人票を信じません。「職場の人間関係は悪くないか?」「院長はどんな人か?」という不安を抱えています。
ここで、第4章で「医マケ」を活用して作成した動画が強烈な威力を発揮します。自院の採用サイトに、プロが作った「院長インタビュー」や「スタッフの1日密着動画」を埋め込むのです。
動画を見た求職者はクリニックの雰囲気に安心し、紹介会社を通さずに、採用サイトから「直接応募」してきます。これで、紹介手数料はゼロになります。
つまり、YouTube運用と採用サイト構築への投資は、たった1人の直接採用で完全にペイ(回収)できるのです。
第6章:FAQ|2026年診療報酬改定と今後のクリニック経営
激動の改定を前に、院長先生から寄せられる切実な疑問に、プロアキが直球でお答えします。
Q. ベースアップ評価料の申請は、事務手続きが面倒そうですが取るべきですか?
A. 窓口業務のDX(スマレジ等の導入)とセットなら、絶対に取るべきです。
手続きは確かに煩雑ですが、スタッフの処遇を国のお金で改善できるチャンスを逃す手はありません。手続きの負担が増える分、自動精算機などで日常のレジ業務を限界まで省力化し、事務長やスタッフが書類仕事に専念できる「余裕」を作ってください。
Q. 本当に大病院は、うちのような小さなクリニックに患者を送ってくれますか?
A. 逆紹介のペナルティが厳格化した以上、大病院は「送らざるを得ない」のです。
ただし、適当に送るわけではありません。「連携強化診療情報提供料」の算定ルールの通り、しっかりレポートを返してくれて、かつ「自院のオウンドメディアや動画で、信頼できる診療体制をアピールしているクリニック」を優先的に選びます。待っているだけでは選ばれません。
Q. YouTubeや採用サイトへの投資は、クリニックには高額すぎませんか?
A. 「投資」と「浪費」を分けて考えてください。
月額数十万円の効果が見えないSEO業者に払うお金は「浪費」です。しかし、採用サイトと動画で直接採用が1件決まれば、100万円の紹介手数料が浮きます。大病院からの逆紹介が月に数件増えれば、その利益は継続します。明確に回収(ペイ)できる道筋があるものは、高額であっても「正しい投資(調達)」です。
結論:2026年改定は「経営者としての覚悟」が問われるリトマス試験紙


2026年の診療報酬改定は、単なる点数の上げ下げではありません。
国は明確に、「DXに投資し、スタッフの給与を上げ、大病院と連携できるクリニックだけが生き残れ」と宣言しています。
- 不要な施設基準は、過去の執着を捨ててスパッと取り下げる。
- スマレジを入れて、複雑な会計ルールから受付スタッフを解放する。
- 医マケで「見えない広告費」を解体し、大病院からの逆紹介を独占する。
- 採用サイトを構築し、紹介会社への「掛け捨てコスト」をゼロにする。
これが、メーカーの裏を知り尽くし、医療現場の泥水もすすってきた私、プロアキが導き出した「2026年以降の最適解」です。
「何から手をつけていいか分からない」
「業者の提案が、自院にとって本当に必要か判断してほしい」



迷った時は、遠慮なく私に声をかけてください。
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